【文月の稽古】その一
七月前半は七夕にちなんだ趣向です。梅雨明け前というのに熱風の吹く暑い日が続きます。
菓子は《笹の露》。清水の竹翁堂製です。ピスタチオ餡が斬新と好評でした。
掛軸は《張騫乗槎図》。狩野常信の筆と聞いています。張騫は中国の前漢時代に活躍した実在の人物ですが、黄河の源流を調べてくるよう皇帝の命を受け、槎(浮き木)に乗って黄河をさかのぼり、ついには天の川に到達したと伝えられています。今回の掛軸はそうした伝説に基づくもので、画面の上方には彦星や織姫星、天の川も描かれています。
花は拙宅で咲き始めた木槿。ケルデル瓶に。
待合には高野素十の短冊を掛けました。「女の子」という表現がほのぼのした感じがします。
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