先日の日曜日、浜松市茶室松韻亭にて裏千家淡交会浜松支部の月釜席主を務めました。今回はバレエ《くるみ割り人形》の趣向です。天気に恵まれ、予想以上に大勢のお客様にご来席いただき、社中一同もてなしに励みました。お客様には楽しんでいただけたようで、様々な感想をいただいております。
総勢18名。水屋は今回も師匠の三谷宗由先生に指揮をお願いしました。
菓子は《わらべ心》、清水の竹翁堂製です。皿は《CANASA》というブランドで活躍する社中の陶芸家の作。意見を出し合いつつ、試作を重ねました。黒丸はネズミ軍、白角はおもちゃの兵隊を表し、交互にお出しすることで双方の戦いをイメージしています。
クリスマスにちなみ、寄付には《天使の翼》、待合には時祷書《東方三博士の礼拝》を掛けました。
《くるみ割り人形》はクララの夢物語なので、本席の掛軸には明恵上人筆の《夢記》を選びました。
香合の《胡桃》もCANASAの作品。本物みたいと好評です。
花はこの日に合わせてくれたように蕾を膨らませた椿《白比咩》。古銅の花入に。益田鈍翁旧蔵の若狭盆を付けました。
千歳棚に前田正剛氏の水指、独楽平大棗は10代中村宗哲の作。千歳棚を横から見ると、十字架のよう。釜は大西五郎左衛門の尾垂、雪花紋の炉縁が華やかさを添えます。
茶碗は河井寛次郎の呉須筒描碗。圧倒的な存在感です。
愛らしい花模様のシュガーポットを火入に見立てました。莨盆は行李蓋。
【会記】
寄・付・・・天使の翼・18世紀
待合床・・・時祷書零葉・東方三博士の礼拝・15世紀フランス ルーアン
・・・・・・本・席
床・・・・・明恵上人筆・夢記断簡
花・・・・・椿・白比咩
花・入・・・古銅
・・添・・・唐物若狭盆・鈍翁所持
香・合・・・胡桃・CANASA造
脇・・・・・オルゴール・花のワルツ
・・・・・・バレエくるみ割り人形プログラム・1935年ドイツ歌劇場
風炉先・・・寄木瓢透・井川信斎造
釜・・・・・尾垂・陸游詩・大西五郎左衛門造
炉・縁・・・雪花紋・幸悦造
棚・・・・・千歳棚・長潤造
水・指・・・鉄絵掛分釉描・銘 入道・前田正剛造
薄・器・・・独楽平大棗・10代宗哲造・大徳寺大光院 大嶺宗松和尚花押
茶・杓・・・銘 星降る街角・海田曲巷造
茶・碗・・・呉須筒描・河井寛次郎造
・・替・・・安南・17世紀ベトナム
・・蓋置・・南鐐一葉・11代浄益造
・・建水・・脇差・吉向十三軒造
薄・茶・・・萩の白・山田園詰
菓・子・・・銘 わらべ心・竹翁堂製
・・器・・・白角 黒丸・CANASA造
莨・盆・・・行李蓋
・・火入・・シュガーポット・19世紀イギリス
下座床・・・山本容子筆・銅版画・DEGAS